人材不足の原因は?(1)
先月下旬、総務省から「労働力調査」の2025年調査の結果(注1)が公表されました。統計調査上の事実として、日本の労働力は7000万人を史上初めて超えました。この結果だけを聞くと、それだけたくさんの労働力があるのに、どうして人手不足や人材不足が生じているのか、疑問に思われるかもしれません。労働力が増える以上に、人が足りないほど景気がよいと実感されているわけでもないでしょう。
ちなみに、この調査結果を報じた記事を見てみる(注2)と、7000万人を超える労働力が供給されてはいるものの、労働力の高齢化・女性比率の増加・外国人労働者の増加・1人当たりの労働時間の短縮化などにより、労働力の需給関係は依然として不足の状態が続くのではないかと予測するものが多いようです。そこで、より働きやすい労働環境の整備が必要であるとか、AIやDXなどの技術動向に応じたリスキリングを行うことで企業が求めるスキルをもった人材を増やしていくべきといった解説が見受けられます。
その一方、早期退職優遇制度や希望退職制度などによる退職勧奨が数多く報じられています(注3)。結局のところ、マクロ的には労働力は不足している傾向ですが、ひとつひとつの企業や業界・地域などを個別に見ていくと余剰となっているところもあるというのが現実でしょう。
実際に人手不足を理由とする倒産・廃業も多く発生している傾向(注4)にあります。当コラムでも、「人材不足で倒産することがないように」ということで、既に昨年一度考察を試みていますが、改めて人材不足の原因とその対応策を考えてみたいと思います。
【注1】
「労働力調査」そのものについては以下のサイト及び解説文書を参照してください。
【注2】
一例として産経新聞の「労働力調査」の結果と求人・求職動向の記事及び「労働力調査」の解説記事を挙げておきます。
労働力人口、7千万人突破 25年平均、失業率横ばい 求人倍率は2年連続低下 - 産経ニュース
労働力人口が初の7千万人突破、女性・高齢者増 推計上回る 供給力底上げには力不足 - 産経ニュース
【注3】
東京商工リサーチの調べでは昨年は2万人弱の早期・希望退職を募っていたそうです。
2025年「早期・希望退職募集」は 1万7,875人 、リーマン・ショック以降で3番目の高水準に | TSRデータインサイト | 東京商工リサーチ
【注4】
具体的には以下のサイトを参照してください。
2026年1月の「人手不足」倒産 36件 春闘前に「賃上げ疲れ」、「人件費高騰」が3.1倍増 | TSRデータインサイト | 東京商工リサーチ
作成・編集:人事戦略チーム(2026年2月12日更新)