2026年度の補助金・助成金を考える
近年の補助金、特に産業政策に関するものを見ると、中小企業にとって選別の時代に入っていると実感できます。大きく成長する意思・戦略・計画をもっているのであれば、その後押しをする姿勢を見せている一方、そうしたつもりがなく現状の事業を継続していくのであれば、事業承継をサポートしようと取り組んでいます。
前者の例(注1)としては、「100億円企業成長」を宣言して中小企業の成長を加速させるもの、人材不足を前提に省力化や賃上げを目指すもの、大学等と連携して成長志向の研究開発を支援するものなどがあります。そこまででなくても相当の投資を行って新事業進出や思い切った省力化を実現しようとするものについても、一定の支援を行うもの(注2)があります。
後者の例としては、「事業承継・M&A補助金」があります。ただ、事業承継とは言っても、単に経営者が代替わりするだけではなく、それを契機に新たな創業を目指したり新規事業に取り組んだりして、企業を成長軌道に載せることが望まれます。
このような変化を考えてみると、これまで行われてきた補助金も新たな観点からリデザインすべきでしょう。例えば、技術開発の速さから「IT導入補助金」のように4年目にして「デジタル化・AI導入補助金」と名称を変更するに至ったものもあります。また、「ものづくり補助金」は昨年までに22次、「小規模事業持続化補助金」は一般型で19回、「事業承継・M&A補助金」は13次となっており、既に制度本来の趣旨や目的を果たしていなければならないはずですから、今後は抜本的な見直しが行われるかもしれません。
同様のアプローチは企業だけでなく個人にとっても当てはまります。
これまでの仕事の延長であったり新たな分野に着手しようとするのであれば、必要な経費を一部でも補助すること(注3)で学びを後押しすることが行われてきました。更に、新たな分野、特に農作物や手工業製品などを作る仕事に挑戦しようとするのでれば、それをサポートする補助金(注4)もありますから、活用しない手はないでしょう。
補助金ではありませんが、「リ・スキリング等教育訓練支援融資」では教育訓練に要する費用だけでなく教育訓練期間中の生活費も融資します。こうした制度も必要に応じて活用できます。
今年はこの時期に衆議院議員総選挙が行われているので、その結果によって補正予算や令和8年度予算の内容が前年度と大きく変わることがあるかもしれません。とは言え、企業、とりわけ中小企業をめぐる課題そのものは大きく変わりようがありませんから、どのような政権になっても取り組むべき政策テーマは変わりません。
したがって、このコラムで紹介したような補助金・助成金を活用して、中小企業そのものを活性化していくか、オーナーや経営者を含めて中小企業に関わってきた人々を他の仕事に転換していくか、道は二つに一つということになるでしょう。今はその覚悟が問われる時期なのです。
【注1】
具体的には、それぞれ以下のサイトを参照してください。
100億企業成長ポータル(中小企業成長加速化補助金)
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化などの大規模成長投資補助金 | 経済産業省
令和8年度予算「成長型中小企業等研究開発支援事業」(Go-Tech事業)の公募に関する事前予告を行います | 中小企業庁
【注2】
具体的には、それぞれ以下のサイトを参照してください。
中小企業省力化投資補助事業(一般型)の第5回公募要領を公開しました | 中小企業庁
【注3】
具体的には、それぞれ以下のサイトを参照してください。
【注4】
具体的には、それぞれ以下のサイトを参照してください。
求職者支援制度による職業訓練受講給付金のご案内 | 都立職業能力開発センター | TOKYOはたらくネット
作成・編集:経営支援チーム(2026年1月29日更新)