次年度の補助金・助成金の応募に向けて

次年度の補助金・助成金の応募に向けて

 

歴年ベースでみれば年が明けて今週あたりから本格的に仕事に取り組んでいる企業や団体が多いと思われます。今年こそは、補助金・助成金制度に応募しようと計画されている方々もいらっしゃることでしょう。

いままで補助金や助成金を活用されたことがない方々にとって、そもそもどういう種類の補助金や助成金があるのか、自社にあったものにはどのような制度があるのか、こうしたところから頭を巡らす必要がある場合も、少なからずあるでしょう。

 

たとえば、起業や創業をこれから行おうとしていたり、昨年、事業を立ち上げたばかりという方であれば、起業・創業および小規模事業に関する補助金・助成金のなかから、要件を満たすものに応募することができます。

2018年度でいえば、「地域創造的起業補助金」があります。これは、2017年度までは「創業・事業承継補助金」のうち、創業に関するものを一部変更して実施されたものです。2019年度は、名称やその内容は多少、変更されるかもしれませんが、同様のものが実施されると予想されます。

ちなみに、事業承継に関するものについても同様です。2017年度までの「創業・事業承継補助金」から、2018年度は「事業承継補助金」となりました。2019年度もほぼ同じようなものが実施されるでしょう。

東京都でいえば、東京都中小企業振興公社の行う「創業助成事業」というものがあります。東京都以外の道府県でも、同様の趣旨のプログラムがありますし、市区町村が実施する創業・起業に対する補助金・助成金もあります。起業や創業を予定されていたり、事業を立ち上げたばかりという方であれば、各道府県や市区町村のHPなどをすぐに一度は確認してみることをお勧めします。

 

一般の企業や団体を対象とするものについては、目的を絞った補助金・助成金があります。

さきほど言及した東京都中小企業振興公社の行うものでいえば、製品開発や市場開拓を行うためのもの(「製品開発着手支援助成事業」「新製品・新技術開発助成事業」「製品改良・規格適合化支援事業」「市場開拓助成事業」「新・展示会等出展支援助成事業」など)や知的財産権を確立するためのもの(「特許調査費用助成事業」「外国著作権登録費用助成事業」「外国侵害調査助成事業」「外国特許出願助成事業」など)など、業界業種に関係なく応募可能なものもありますし、「医療機器産業参入促進助成事業」「顧客データ等利活用モデル創出事業」「先進的防災技術実用化支援事業」など、業種や事業モデルが絞られているが故に特定の事業者にピッタリと当てはまるようなものもあります。

小規模事業者であれば、各地の商工会議所または商工会が窓口となって実施する「小規模事業者持続化補助金」というものがあります。これは、主に販路拡大をテーマにした補助金です。中小の事業者にとって、最も身近な補助金と言えそうです。

また「IT導入補助金」というものもあります。これはITを使って業務効率向上を目指す企業に対して、指定されたITサービスを導入・活用することに対して補助金を支給するものです。ITサービスを提供する企業も、この制度に登録することでメリットが享受できることも見逃せません。

さまざまなメニューがあるという点では、厚生労働省の雇用関係の助成金があります。基本のメニューは同じようなものであっても、毎年、少しずつ個々のプログラムには改定や廃止がありますので、どのような企業であっても年に一度は見直しておく方が良いでしょう。特に、高齢者雇用・障害者雇用・女性活用・働き方改革・雇用調整などを検討されているのであれば、活用可能なものがないか一度は確認しておきたいものです。

このほかにも、それぞれの省庁で所管する業界やテーマに沿った補助金・助成金の制度がありますので、自社の属する業界を所管する官庁や何らかの関連がありそうな官庁のHPを一度はチェックしてみたらいかがでしょうか。特にITに関連するテーマは、複数の官庁で補助金・助成金の制度を運営しているので、意外なところから自社に合ったプログラムを見つけ出すことがあるかもしれません。

 

過去にどういう種類の補助金・助成金があり、過去の募集要項などから応募要件や制度全体のスケジュールなどが理解できれば、実際に予算化されたときに慌てることなく応募の準備に入ることができるでしょう。

昨年のように、国会での予算審議がなかなか進まないといった事態に陥らなければ、3月には2019年度の補助金・助成金の個々のプログラムが公表されるはずです。それまでに、2018年度までの制度の内容や変遷を見ておけば、どのような補助金・助成金が自社に合っているか、当たりをつけておくことができます。そして、2019年度分が公表された時には、さっそく応募に向けての作業に取り掛かることになります。

 

なお、当事務所の提供する補助金・助成金の申請サポートについては、こちらの資料をご覧ください。

また、当コラムにおいて、これまでにも補助金・助成金のご紹介やその活用などについて言及しているものがいくつかあります。それらご参考までにご一読いただければ幸いです。

 

 

作成・編集:経営支援チーム(2019115日更新)