早くも梅雨明け

早くも梅雨明け

 

気象庁の発表によると、関東甲信地方は今日、梅雨が明けたそうです。関東甲信地方では、これまで6月に梅雨明けしたことはなく、観測史上最も早く梅雨明けしたことになるそうです(注)。

東京などは、今週は雨も降らず30度を超える日々が続いていたので、民間の気象会社などでは既に梅雨明けというところもありました。気象庁でも後日見直して、確報値ベースでは梅雨明けを早めるかもしれません。

 

ところで、気象庁によると、梅雨入り・梅雨明けを発表する理由や判断材料について、次のように解説しています。

 

梅雨期は大雨による災害の発生しやすい時期です。また、梅雨明け後の盛夏期に必要な農業用の水等を蓄える重要な時期でもあります。一方、梅雨期は曇りや雨の日が多くなって、日々の生活等にも様々な影響を与えることから、社会的にも関心の高い事柄であり、気象庁では、現在までの天候経過と1週間先までの見通しをもとに、梅雨の入り明けの速報を「梅雨の時期に関する気象情報」として発表しています。(以上、気象庁HPより抜粋)

 

この記述に基づくと、梅雨入り・梅雨明けというのは、事前に定めた判断基準に従って自動的機械的に決めるのではなく、気象の専門家(気象庁)がデータと専門的知見とこれまでの判断の蓄積などをベースに判断して公表しているもののようです。

こういったタイプの専門的な判断というのは、気象関連だけではありません。身近なところでは、医療や住宅などでも専門家の判断が求められるシーンが多いでしょう。調理や食事、ファッションや家電製品なども専門家に判断を委ねる場合がよくあります。

今後はAIなどを駆使して、データを蓄積し処理し新たな知見を加えていくことが当然となり、気象関連でいえば、梅雨入り・梅雨明けに限らず、桜の開花なども予報はかなりの程度まで自動化されるのでしょう。とはいえ、最終的な判断やその結果を公表するかどうか、そしてその情報をどのように活用するのか(活用せずに無視するのか)という点は、最終的には人間、特にその分野の専門家の判断を得た上で対応するでしょう。

ちなみに、梅雨入り・梅雨明けの宣言という情報は、小売りや外食など気象条件によって商材準備や販売動向が大きく変わるビジネスでは、重要な情報だろうと思います。

個人的には、日々の気象情報(天気予報)は服装や外出プランなどに大きく影響しそれなりに活用しているつもりですが、梅雨入り・梅雨明けの情報というのは、活用方法がわからず、何となく聞き流してきたものです。

梅雨明け=夏の到来と考えれば、今年は、夏が早く来たと宣言したようなものです。熱中症対策を中心に、長い夏に対応する覚悟をしないといけないようです。

 

【注】

今年の梅雨入り・梅雨明けの情報は気象庁の以下のサイトにあります。

http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/baiu/sokuhou_baiu.html

梅雨入り・梅雨明けを宣言し始めた1951年以降のデータは同じく以下のサイトにあります。

http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/baiu/kako_baiu09.html

 

 

作成・編集:QMS代表 井田修(2018629日)