新着コラムをご紹介いたします。

過去のコラムについてはこちらへどうぞ。

 

ジェームズ・カーンの訃報に接して

 

昨日、アメリカ人俳優のジェームズ・カーン氏が82歳で亡くなったことが報じられました(注1)。

個人的に鑑賞したことがあると言えるのは、次の11作品(注2)と多いように思えます。主演・助演・オールスターキャストのなかの一人というように、作品中の役割も扮した役柄もさまざまで、これもあれも演じることができる、本物の俳優と言えたのではないでしょうか。

 

「ゴッドファーザー」(The Godfather1970)

「シンデレラ・リバティ/限りなき愛」(“Cinderella Liberty1973年)

「ゴッドファーザー PARTⅡ」(The Godfather PARTⅡ”1974)

「ファニー・レディ」(“Funny Lady1975年)

「遠すぎた橋」(A Bridge Too Far1977)

「第2章」(“Chapter Two1979年)

「ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー」(Thief1981)

「愛と哀しみのボレロ」(“Les Uns et les Autres1981年)

「ディック・トレイシー」(Dick Tracy1990)

「フォー・ザ・ボーイズ」(“For The Boys1991年)

「ドッグヴィル」(“Dogville2003年)

 

一般に最も有名で、私が最初に観たものは「ゴッドファーザー」です。氏が演じた役は、主人公ヴィトー・コルネオーネ(ニューヨークのマフィアのドン)の長男サンチーノ(ソニー)コルレオーネです。父親から次のドンとなることを期待されており、父親に逆らって軍に入隊した四男のマイケルとは対照的に、感情がわかりやすい性格で、軽率なところもあり、女好きで行動力がある人物です。その結果、ボディガードも付けずに誘い出されて、文字通り蜂の巣になって殺されてしまいます。この役を、マーロン・ブランドが扮したヴィトー、アル・パチーノが扮したマイケル、気弱な三男フレド―(演じるのはジョン・カザール)、次男扱いで忠実な相談役(演じるのはロバート・デュヴァル)などとともに演じました。

主演作品でいえば、「シンデレラ・リバティ/限りなき愛」が水兵と娼婦の恋愛映画、「ファニー・レディ」はミュージカル仕立ての恋愛映画、「第2章」はバツイチ同士の劇作家と女優の恋愛映画、「ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー」は夜の街で活躍する金庫破り、「フォー・ザ・ボーイズ」は「ファニー・レディ」の軍の慰問版というところです。

ちなみに、「シンデレラ・リバティ/限りなき愛」と「第2章」では同じ女優(マーシャ・メイスン)を相手に誠実な恋人役を演じていますが、当然とはいえ、水兵と劇作家(原作のニール・サイモンがモデルか)というキャラクターの違いをしっかりと見せています。

また、「ファニー・レディ」ではバーブラ・ストライサンド、「フォー・ザ・ボーイズ」ではベット・ミドラーという力量溢れる歌手兼女優を相手に、彼女たちの存在をしっかりと受け止めた上で、音楽とコメディを軽快にこなすこともできるところを見せています。

オールスターキャストのなかの一人として出演しているものが、「遠すぎた橋」と「愛と哀しみのボレロ」と「ディック・トレイシー」です。「遠すぎた橋」は、ダーク・ボガード、ロバート・レッドフォード、ショーン・コネリー、マイケル・ケイン、エドワード・フォックス、アンソニー・ホプキンス、エリオット・グールド、ジーン・ハックマン、ライアン・オニール、マキシミリアン・シェル、ローレンス・オリビエというように、さまざまなタイプの俳優たちが出てきます。イギリスとアメリカの名優たちの見本市のようでもあります。そのなかの一人としてジェームズ・カーンもアメリカ軍の軍曹を演じています。

「愛と哀しみのボレロ」では、グレン・ミラーをモデルとしているとされるジャック・グレンとその息子ジェイソン・グレンに扮しています。この作品において主なキャストは2世代2役を演じます。氏はビッグバンドのリーダーとして第二次世界大戦に従軍した父と、その息子で弱い生き方しかできない息子を巧く演じ分けています。音楽家を演じるのは、「ファニー・レディ」で既に経験済みですが、この作品では、当代一のバレエ・ダンサーであったジョルジュ・ドンがルドルフ・ヌレエフをモデルにした役を演じるなど、単なる演技以上のものが画を作り上げるなかで、遜色なくアメリカのバンドマンを体現している感じでジャズが似合っています。

「ディック・トレイシー」は、製作・監督・主演のウォーレン・ベイティがアメリカン・コミックの世界を実写化した作品で、演技というよりもカリカチュアされた表現が求められる作品でしょう。こうしたものも難なくこなしてみせるところが、演技力の深さ・確かさなのかもしれません。

最後に、ラース・フォン・トリアー監督の実験的な作品である「ドッグヴィル」ですが、いわゆる劇映画の約束事とは別の次元で物語を見せていきます。ベテランの域に達していても、こうした作品にもチャレンジするところに、特定の型に嵌まらず、俳優として息の長い活躍ができた一因があるのかもしれません。

 

【注1

たとえば、以下のように報じられています。

米俳優ジェームズ・カーン氏死去、「ゴッドファーザー」など - ロイター芸能ニュース - カルチャー:朝日新聞デジタル (asahi.com)

CNN.co.jp : 米俳優ジェームズ・カーンさん死去、82歳 「ゴッドファーザー」など - (1/2)

CNN.co.jp : 米俳優ジェームズ・カーンさん死去、82歳 「ゴッドファーザー」など - (2/2)

 

【注2

各作品のご紹介まで。

映画『ゴッドファーザー』50周年記念予告 - YouTube

『ゴッドファーザー PART II』予告編 - YouTube

1975 FUNNY LADY Official Trailer 1 Columbia Pictures - YouTube

遠すぎた橋 予告編 - YouTube

Thief - Tangerine Dream - YouTube

『愛と哀しみのボレロ デジタル・リマスター版』予告 - YouTube

ディック・トレイシー (1990) 予告編 - YouTube

For the Boys 1991 Trailer | Bette Midler | James Caan - YouTube

『ドッグヴィル』日本版劇場予告編 - YouTube

なお、「シンデレラ・リバティ/限りなき愛」と「第2章」については、映画関連のデータベースまたはウィキペディアなどで、該当箇所を参照して下さい。

 

 

  作成・編集:QMS代表 井田修(202278日)

 

 

 

 

 

このサイトは、行政書士井田道子事務所のホームページです。